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【社会・文化環境論(身体文化論)ゼミ】「なぜ、名古屋港水族館のイルカの前で、何時間もたたずむ人がいるか?」

 
ある学生が、名古屋港水族館に行ったときの興味深い報告をしました。同水族館には、イルカの水槽があり、その前で、何時間もたたずんでいる人が結構いるということでした。そこで社会・文化環境論プロゼミナールのある学生が、名古屋港水族館に実際に行き、なぜ同水族館のイルカは、何時間も人を魅了することができるのかを、考察し、ゼミで発表しました。

その結果(仮説)を、プロゼミナールの学生が、「人環さざえさん」一家が同水族館を訪れたという設定で、会話風に創作してみました。


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『さざえ、“名古屋港水族館”でイルカを見たいの』

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登場人物:人環さざえ、人環かつお、人環わかめ、人環たらお

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わかめ「水族館、楽しみね。」
かつお「なんで水族館なんだよ。遊園地に行きたいよ。」
さざえ「今日は水族館なの。前、タエコさんがイクラちゃんを連れて行った時、1時間もイルカを見てたらしいの。その話を聞いてたら、イルカが見たくなったの。」
わかめ「イルカ?見たい見たい!」
たらお「みたいです。」

水族館に到着

さざえ「水中観覧席、ここね。」
たらお「わー!」
わかめ「イルカがいっぱい!すごい!」
かつお「人もいっぱいだね。」
さざえ「みんな見入ってるみたいね。」
たらお「イルカさんがぐるぐるまわってるです。」
わかめ「本当に楽しそう。私も泳ぎたい。」
かつお「イルカってなかなか見る事できないから、珍しくて見ちゃうのかな。」
わかめ「なんだかイルカを目で追っちゃう。」
さざえ「水槽に何もないから、自然と目がいっちゃうのかしらね。」
わかめ「本当だ。岩も海藻も何もないのね。」
さざえ「でも何もない方がイルカたちが自由な動きができていいわね。」
たらお「イルカさんたちたのしそうです。」
かつお「皆ずっと見てるみたいだけど、動いている物をずっと見てて、目が疲れてこないのかな?」
わかめ「確かに、お兄ちゃんの言う通りだよね。私、テレビとかずっと見てると目が疲れてきちゃうよ。」
さざえ「んー。それは色が関係してるんじゃないのかしら。」
わかめ「色?」
さざえ「私たちのいる場所は暗くて、水槽の中が青いじゃない?」
かつお「そうだね。」
さざえ「青色って目に優しいし、落ち着くイメージがあるからずっと見ていられるんじゃないかしら。」
わかめ「うん、青色は落ち着くイメージあるね。」
かつお「なるほど。水槽が逆に赤色だったら、落ち着いて座って見てる事なんてできないかもね。」
わかめ「水の色が赤色なわけないじゃない。」
かつお「例えだろ。」
たらお「おみずのいろがあかいろだったらこわいです。あおいろがいいです。」
さざえ「やっぱりお水の色は青色がいいわよね。」
たらお「そうです。」
わかめ「ここでこうして座ってイルカを見てると、不思議な気持ちになるね。なんだか夢の世界みたい。」
さざえ「そうね。やっぱり珍しいからそう思うのね。」
わかめ「自分も一緒になって泳いでいる気分になっちゃう。」
たらお「なるです。イルカさんかわいいです。」
かつお「イルカって親しみやすさがあるよね。」
わかめ「うん。丸くて、顔がかわいくてすごく好き。」
さざえ「やっぱりキャラクターって大事よね。」
わかめ「イルカじゃなかったらこんなにずっと見ていられないね。」

1時間後

さざえ「あっもうこんな時間。もう帰るわよ。」
たらお「ママー。ぼくのほんとのなまえはイルカってほんとうですか?」
さざえ「タラちゃん?何言ってるの?」
たらお「かつおおにいちゃんがいってました。」
さざえ「かつお!タラちゃんに変な事言うんじゃないの。」

<<おしまい>>
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なぜ、名古屋港水族館のイルカが、人びとをひきつけるか。
社会・文化環境論プロゼミナールで、みんなで話し合ったこと。

仮説1:水槽が青く、見る人がいるところが薄暗いため、こころが落ち着く。
仮説2:イルカの水槽には、岩などの障害物が無いため、イルカそのものに、視線が釘付けされる。また、障害物がないことは、仮説5とも関連している。
仮説3:イルカの大きさが、人間に近いため、見る人はイルカに同一化しやすい。
仮説4:広い水槽の中を泳ぎまわっているイルカの泳ぎは、ゆったりしているため、こころを落ち着かせてくれる。
仮説5:障害物がない広々とした水槽で、ゆったり泳いでいるイルカに、見る人は同一化して、「自由」や「ゆったり」した気分を味わっている。
仮説6:イルカの目やからだのラインが、どこか優しいので、癒される。

以上のさまざまなことが、複雑に絡み合って、人びとを何時間もイルカの水槽の前に釘付けしているのではないでしょうか。


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(ゼミ担当教員 石上文正)


*次回は【言語コミュニケーション論ゼミ】です。

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