バックナンバー:2009年09月
【精神病理学ゼミ】夏休み後のゼミの風景
夏休みが明けて、後期授業が始まりました。4年生は就職や進学の活動の傍ら、卒業論文のスパートで忙しい時期です。大学院進学は2名が決まったようですが、二人とも心理学と直接関係なく、一人は英文学、もう一人は文化人類学です。
卒業研究は本来「スパート」のはずですが、やっとテーマが決まったというスロースターターもいて心配なところです。精神病理学のゼミでは例年、犯罪や少年犯罪の異常心理に興味を持って卒論にする人がいるのですが、今年はなく、代わりに「病蹟学」といわれるジャンルのテーマを選んだ人が多くなっています。「病蹟学」とは、芸術家や政治家など傑出した個人の活動や作品を、そのひとの生い立ちや人となり、あるいは病気と結びつけて解釈する学問です。「ヒトラーの病蹟学」のように、いわば悪人の病蹟学もあります。
今年の四回生が選んだのは、夏目漱石、三島由紀夫、シュールレアリズムの画家マックス・エルンスト、作曲家のグスタフ・マーラー、ロックシンガーのカート・コベインです。私自身は、「芸術は作るものであってああやこうや説明するものでもないだろう」という思いから、病蹟学的な研究はしていませんが、病蹟学の古典としては精神分析の創始者であるフロイトの「レオナルド・ダ・ヴィンチ論」が挙げられるでしょう。
「モナリザ」の作者レオナルド・ダ・ヴィンチは寡作、遅筆で知られ、また作品も未完成で残すことも少なくありませんでした。その一方で、強烈な知識欲から数多の自然現象の解明や解剖学、発明に情熱を燃やし、克明な記録を残しています。フロイトは、ダ・ヴィンチの創造的活動にブレーキがかかっていて、そのために作品を仕上げることができない一方、そのエネルギーが知識欲という形で研究の方に流れたのだと考えました。そしてダ・ヴィンチの創造にブレーキをかけた原因を、いわゆる非嫡出のために、幼児期に父親に引き取られたことで、実の母との関係が奪われたことに求めます。フロイトによると、ダ・ヴィンチは女性を愛することができず、少年愛に走ったのですが、それは自分を母の立場に置き換えて、かつての自分の似姿である少年を愛することだったのです。のちダ・ヴィンチは「モナリザ」を描くにあたり、そのモデルとなった女性に母の似姿を見出します。ここで立場の再逆転が生じます。母に同一化してかつての自分である少年を愛していた立場から、「モナリザ」に母を見出すことで子供の立場に戻ることができたのです。こうしてダ・ヴィンチの創造のブレーキは解け、「モナリザ」という稀代の名品を仕上げることができたというのです。
「ダ・ヴィンチ論」は、現代のキーワードの一つにもなった「自己愛」の概念をフロイトが導入するきっかけになった論文として重要です。ダ・ヴィンチの少年愛(同性愛)を説明するのに、フロイトは「母親に同一化してかつての自分の似姿を愛する」というメカニズムを考え、それを自己愛の一つの形態としました。ここで考えられている自己愛のメカニズムは、単純に自分が自分を愛するということではなく、「他者の視点から自己のイメージを愛する」ということなのです。このことは、そもそも自分が直接的に自分を愛するなどということはありえず、自己愛とは他者が(例えば親が、友人が)自分に対して持つイメージを愛することでしかないのではないかと考えさせるものです。
ところでゼミブログに便乗してフロイトを取り上げたのは、私が現在、岩波書店刊行の『フロイト全集』第3巻の「心理学草稿」の翻訳の締め切りに追われているからです。私の翻訳作業にブレーキをかけているのは何で、どうやったら解除されるのでしょうか。
(ゼミ担当教員 総田純次)
*次回は【宗教と倫理ゼミ】です
【企業会計論ゼミ】 ゼミ旅行
熱い夏が続くなか、大学は夏休みになりました。時間ができたということで私たちは今年の夏もゼミ旅行に行ってきました。
8月5日~7日の2泊3日で岐阜県の明野高原キャンプ場に行きました。そこは自然いっぱいの山に囲まれ、小さな池があり、馬もいました。コテージは3階建で18人が入るにはちょうどいい広さでした。

夜は焼き肉。野菜を切り、火をおこし、みんなで作ったものはとても美味しいものとなりました。普段それほど話をしない人とも話すことができ親睦が深まりました。
2日目は4年生の卒業論文の中間発表を行ないました。10人ほどプレゼンをしたのでまる1日かかり大変でした。企業会計論ゼミなのでテーマは会計や経済、企業分析が主です。それぞれしっかり調べてきていたので、内容のこい話を聞くことができました。プレゼン者は先生のアドバイスを聞き真剣でした。また、コンテスト形式で誰が1番優秀なプレゼンか決めました。1位は賞品がつくということでみんなやる気十分でした。

3日目は近くにある滝と鍾乳洞を観にいきました。雨が降っていたこともあり、滝は勢いよく落ち水しぶきが飛んできたため、近くにいると涼しく気持ち良いものでした。鍾乳洞も中に入ると涼しく薄暗く、普段、自然をじっくり観ることはなく、なんだか落ち着き、自然に癒された感じでした。
今回のゼミ旅行を通してゼミメンバーと親睦を深めることができ、2泊3日と聞いて長いと思いましたが終ってみるとあっという間でした。夏休みあけ後期の演習が楽しみです。

(4年ゼミ生 Y.M)
*次回は【精神病理学ゼミ】です
【水環境化学ゼミ】和歌山合宿
担当になってからゼミブログ二回目です。こういうのは苦手で、ついついただの報告っぽくなってしまいがちです。三年生がやってくれないかなー、なんて書くと怒られそうですが。今回は先日行ったゼミの合宿について書こうと思います。
九月七日から十日まで、三泊四日で和歌山県にある「国立大学法人北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション和歌山研究林」に片山先生、長井先生、このたび新しく助手として九月からお世話になる去年の卒業生、林先輩とゼミの三年生四年生合同で合宿に行ってきました。
初日、一日の大半が移動に費やされました。朝九時半に名古屋駅に集合、電車に乗って紀伊勝浦駅まで。途中、電車が鹿にぶつかり十分ほど電車が止まるという事がありました。そこからバスに乗って途中那智の滝に寄りつつ合宿所に着き、次の日以降の説明を受けた後、夕食をとってその日は終了。
二日目、朝食後、恒例の朝のラジオ体操。ここで片山先生は帰宅。作業に移る。午前中は炭焼き用の薪割りと薪を窯に詰める作業。午後は杉の人工林に入って間伐の作業をしました。作業後、夕食まで時間があったので童心に帰って皆で川遊びを。たまにはこういうのもいいモンです。
三日目、今日は作業ではなく演習林内の見学。午前中は杉と檜の天然林の見学、午後は保存林の見学に行きました。移動は一部、傾斜が激しい所はモノレールで移動しました。最後の夜ということで、その日はバーベキューで飲み会でした。酒は飲んでも飲呑まれるな。いい教訓です。呑まれた人は高い授業料でしたね。
最終日、朝から部屋の後片付け、掃除を済ませ後は帰宅のみ。帰りは途中バスで本州最南端、潮岬に寄った後串本駅から紀伊勝浦で乗り換えて名古屋駅まで。まぁ帰りの電車のなかでは爆睡してました。なにやら芸人コンビの髭男爵と一緒だったらしいのですが。その時は全然気付きませんでしたね。
と、つつがなく四日間の合宿を無事終了しました。三年生と四年生の交流も深まり大変充実した合宿となりました。何より食事が美味しかったし。
では次回のゼミブログで。
世界遺産、那智の滝
薪割り中

休憩中に発見した天然記念物サンショウウオ

センターの職員さんも一緒にみんなでバーベキュー、飲みすぎ注意

本州最南端、潮岬
(ゼミ生4年M・S)
*次回は【企業会計論ゼミ】です
【中国社会文化論ゼミ】
今年のゼミ生は三年生だけで、適性検査を受けたりして就職活動の準備段階、といったところ。どんな職種に向いているか、どんな技術・能力が必要か、そして各企業の財政状況も、少しずつですが調べています。卒業はまだ先のようですが、時間が経つのははやいもの、しっかり準備をしてほしいと思います。
大学の授業は7月に前期試験があり、その後ゼミの活動はお休みです。長い休みなので、本当はどこか(ゼミとの関わりで言えば中国とか)に出掛けて欲しいのですが、新型インフルエンザの心配もあり、今年は勧められません。
(ゼミ担当教員 渡 昌弘)
*次回は【茶道文化論ゼミ】です
2009年09月11日(金) | 歴史・言語文化コース | 固定リンク
【演劇と身体論ゼミ】自己表現の喜び
みなさん、こんにちは。お元気ですか。「演劇と身体論」を担当している森順子です。演劇と舞踊(社交ダンス)を通して、身体で自己表現する、これが森ゼミの特色です。どのようなことに取り組んでいるのかを具体的にお伝えしましょう。
演劇はシェイクスピアの劇を、声優として演じます。今年度前期に扱った劇は講義では『マクベス』と『オセロー』、特殊講義では『シンベリン』です。後期には、講義で『ハムレット』と『リア王』、特殊講義で『ジュリアス・シーザー』を扱います。どの作品も5幕からなっています。私の解説も含めて1回1幕ずつ進み、5週間で一つの作品を終えます。
その後は体育館で実際に演じます。演じる箇所も長さも演じ方も自由です。どの学生さんも毎回、生き生きと頑張っておられます。学生さんの演技は工夫されていて驚くほどの出来栄えです。
舞踊(社交ダンス)は、体育館でストレッチから始めてダンスウォークの基本を学び、音楽に合わせて踊ります。今年度前期ではルンバを踊りました。みんな熱心でとても上手に踊れました。ルンバウォークをマスターした後、男女が組んで実際に踊る輪の中に私ももちろん毎回加わりました。ダンスはどの学生さんにも新鮮で楽しい時間となっているようです。
後期ではチャチャチャとサンバを踊る予定ですので、今からわくわくしています。
ゼミでは、毎回、一人の学生さんがもっとも関心のあるテーマについて発表します。前もってレジュメなどを作成し、発表後はみんなでそのテーマについて話し合っています。
プロゼミでは、今年度も大学祭の10月24日(土)に2時からA館で実際に演劇を演じます。昨年度受講なさった学生さんのうち4名の方が単位とは無関係に今年も授業に来られています。その学生さんもいっしょになってみんなで真剣に演劇と向き合っています。みなさんもどうぞ大学祭にお越しくださいね。
このゼミにはいつも自由でのびやかな雰囲気があふれています。こころの底から声を出す喜び、身体で表現する喜び、そして音楽に合わせて踊る喜びをみなさんも是非味わってみてくださいね。きっと生きている今が楽しいと思えるようになりますよ。
(ゼミ担当教員 森 順子)
*次回は【日本語教育ゼミ】です
2009年09月03日(木) | 歴史・言語文化コース | 固定リンク


