バックナンバー:2010年02月
【臨床心理学ゼミ】『臨床心理学ゼミの方針について』
さて、私の臨床心理学ゼミはようやく4月から始まります。今回はこれから始めるゼミの方針についての紹介をさせていただきます。
まず、ゼミの最終目標は大学4年生に卒業論文を書き上げることで、この単位がなければ大学を卒業することができません。これは他の授業とは違った面があり、大きな違いは、他の授業がインプットがメインなのに対して、卒業論文はアウトプットがメインになることです。前者が他から学んで受け入れることが中心になることに対して、後者は自分が作り上げたものを外部にアピールしていくことが大事になると言ってもいいでしょう。卒業論文はクリエイティブな活動なのです。他の分野で考えてみればわかることですが、絵画でも他の人が描いているのを真似した作品はあまり価値がなく、独創的なものが評価されるのと同じことです。
そこで、論文を書くことからは『創造的な苦しみ』、『産みの苦しみ』が生まれ、誰しも必ず苦しむことになります。これはどの世界においても大変だし、重要です。いろんな例がありますが、たとえば味の素の容器の穴をちょっと大きくすることを思いついた社員がいて、それを試したら何億円も売り上げが伸びたということもあります。中身が出やすくなったので、それだけ多く使われるようになったのですね。コロンブスの卵のような話ですが、新しい発想と創造性、想像性はとても大事です。
そこで、臨床心理学ゼミでは『頭で考えること』、それを『表現すること』を大事にしていきます。さらに表現は『書くこと』と『話すこと』のふたつに分かれます。実際にどうやっていくのか、それはこれからのお楽しみです・・・。
(ゼミ担当教員 髙橋 昇)
*次回は【文化人類学ゼミ】です。
【資源循環型経済社会論ゼミ】卒業論文を書き上げました
卒業論文は、毎年1月初旬に提出し、2月中旬に口頭試問を終えて修了します。今回は私のゼミ生の卒業論文を幾つか紹介しましょう。
まず、スポーツ好きなSくんとTくんです。Sくんはスノーボードが大好きで、テーマは『ウインタースポーツと環境問題』。ゲレンデの雪不足は深刻です。スキー客へのヒアリング調査を基礎に、環境意識や温暖化対策を考察しています。
サッカー愛好家のTくんは『スタジアムイベントと環境問題』。観客に対してアンケート調査を実施し、カーボンオフセット付きチケットの分析などを行っています。Kくんは『廃家電製品のアジア輸出問題』を取り上げました。
わが国の廃家電製品は、大量にアジア諸国へ流れ、現地で深刻な環境汚染を引き起こしています。現状分析に基づき対策を提案しています。Yくんは『自然エネルギー利用の課題と展望』というテーマで、太陽光と風力発電についてわが国とドイツを比較研究し、とくに両国の電力固定買取り制度の違いに焦点を当てて分析しています。
いずれの卒業論文も現代的課題を取り上げ、論文としての仕上がりも立派な成果をあげることができました。私が一番嬉しく思っていることは、毎年そうなのですが、卒業論文を仕上げる過程で、急速に知力を向上させ、学問に苦闘する学生としての本来の姿を完成させていくことです。卒業論文を提出し終えたその姿は、大事を一つ成し遂げたという安堵と充実感から、すがすがしく輝いています。
(ゼミ担当教員 吉野敏行)
*次回は【臨床心理学ゼミ】です。
【現代文明論ゼミ】教授のお宝紹介
大学はいま閑散としています。4年生は卒業論文の口頭試問も終わって、あとは卒業式を待つばかりです。1、2、3年生も定期試験を終えて、休みに入っています。今は大学生が一番のんびりできる季節です。もっとも、3年生は就職活動に忙しく、のんびりなどしていられないようですが・・・。
ゼミ生の集まる機会が少ないため、今回は、私のお宝を紹介します。お宝といっても、高価なものではありません。それは、マンドヴィル(Mandeville)というオランダ生まれのイギリス人が書いた『蜂の寓話 または、私人の悪徳・公共の利得』という本です。

図1 『蜂の寓話』第一部と第二部。新しく装丁しなおされています。
悪徳を薦める本であるとの烙印を押された『蜂の寓話』は、ケインズによって『雇用・利子および貨幣の一般理論』で取り上げられることによって、それまでの悪評をはねかえしました。
図2 1728年と1729年に出版されたことのわかる扉です。
マンドヴィルは、国民全員が貯蓄という美徳に走ってしまったら、国全体は人手が余って不況やデフレに苦しむと指摘していたのです。一国を幸福にし繁栄をもたらす方策は、すべての国民に就業の機会を与えることであると説きました。
徳のみで 国民の暮らしは豪華にならず
黄金時代の再来 望むなら
正直も どんぐりの実も
清濁併せ呑む 度量をもつべし(塩野谷祐一訳)
(ゼミ担当教員 奥田 栄)
*次回は【資源循環型経済社会論ゼミ】です。
【比較日本文化論ゼミ】日本文化に対する?(7)
季節としては少々早いのですが、昨春に続き、もう一度だけ桜について。
桜を愛(め)でて日本人が詠んできた歌には、しばしば「にほふ(匂ふ)」という言葉が使われています。知人のドイツ人研究者の中に、このことに関心をもった人がいて、数十年前日本に留学した際、種々の桜について匂いの有無を実地に調べました。その結果、香りがある桜は限られた種類のものだけで、桜にはさほどの香りがないのが普通であることが判りました。当時、そのことを留学先の日本の大学生達に話しても知らなかったので、後日、日本人の前で話をすることを頼まれたとき、彼はこの「にほふ」という言葉について話をしました。
もともと「にほふ」という言葉は、現在のように嗅覚だけに限定されない、光を放つように見えるはなやかな美しさや、花の何ともいえない美しさなどを表す言葉でした。ところが現代では、「におう」という言葉は、嗅覚に限定され、しかも好い「におい」に対しては、「香る」という言葉で使い分ける場合さえあります。実はドイツ語でも、stinken (悪臭がする)は、もともと「よい匂いがする」という、現在とは正反対の意味で使われていた言葉だったのだそうです。
(ゼミ担当教員 吉田喜久子)
*次回は【住環境デザイン論ゼミ】です。
2010年02月12日(金) | 歴史・言語文化コース | 固定リンク
【身体文化論ゼミ】すばらしい、“深い”そして楽しい卒業論文ができました。
今年は、6人のゼミ生が卒業論文を書きました。どれもすばらしいできあがりです。
このゼミの特徴は、第一に、卒論のテーマが、身近なものであるということです。今回は、ネコ、『風の谷のナウシカ』、オートバイ、『機動戦士ガンダム』、京都、ディズニーランドといったゼミ生が本当に好きもしくは関心をもったものでした。
第二の特徴は、研究手法です。インターネットを活用した手法も見られ、卒論の書き方も新しい時代に入ったと感じています。
第三の特徴は、その“深み”です。日常生活なかでは、あらゆる現象が、当たり前のもののとして目や耳の中に飛び込んできます。そのため、それらの現象は、当たり前の現象としてしか認識できません。ところが、学問という非日常的な視点を通して、それらの当たり前の日常世界を眺めると、当たり前だったものが、当たり前でない、非日常的現象であることに気づきます。私たちのゼミ生は、全員、それらの当たり前でない現象を垣間見たようです。つまり、日常的な現象の中に、“深み”を感じることができ、学問の力や醍醐味を味わうことができたようです。これこそが、私たちのゼミが求めているものです。
ゼミ生6人は、昨年早々、就職も決め、この3月には、笑顔で、大学を巣立って行きます。4年間、ともに学問できたことを教師として誇りに思っています。これからの幸多き人生を祈っています。
<ゼミ生の卒業論文タイトル>
● ネコが人間に与える心理的影響 Y.I.
● 『風の谷のナウシカ』から感じる恐怖の正体 H.O.
● 「オートバイ」の意味 T.K.
● サブカルチャーと社会背景 Y.K.
● 「京都」という異文化 N.M.
● ディズニーランドを読み解く K.M.


(ゼミ担当教員 石上文正)
*次回は【比較日本文化論ゼミ】です。
2010年02月08日(月) | 歴史・言語文化コース | 固定リンク
【基礎心理学ゼミ】 プロゼミナールでの研究
10月のブログでお伝えした2年生の実験研究が終わりました。途中でテーマが変わったり、思うように実験協力者が集まらなかったりと、さまざまなトラブルはありましたが、すべてのグループでレポートが提出されました。
おもしろい実験結果はいくつかあったのですが、ここでは筆記文字の大きさとパーソナリティの相関関係を調べた研究について紹介します。この研究は、「小さい字を書く人は、大きな字を書く人よりも気が小さいだろう」という仮説から始まりました。実験では、筆記文字の大きさをひらがなの「の」の字の面積から求め、その面積とパーソナリティ検査(シャイネス尺度)での得点との関係を調べました。その結果、男性でははっきりしなかったのですが、女性では、筆記文字の小さい人のほうがシャイネス得点(対人関係で感じる気恥ずかしさの程度)が高いという結果が得られました。
この結果をどのように解釈すればよいのかは難しい問題ですが、とても興味深いものです。自分の関心を具体化させ、学問という枠組みの中で調べていくことの楽しさを実感してもらえたら嬉しいです。そして3年生から始まる各自の専門研究に少しでも役立ってくれることを期待しています。
(ゼミ担当教員 芳賀康朗)
*次回は【身体文化論ゼミ】です。
【環境経済学ゼミ】四年生、この四年間を振り返って
S.U.です。
思えばこの四年間本当に様々なことを学びました。大学にて様々なことを学びました。またこのゼミの山根先生から学ばせていただいことも重要な位置を占めています。人間社会の特に経済システムの構造と自然界、人間の本質とのギャップから起こる社会問題などこれから社会を見ていく上で非常に示唆に富んだことを学ばせていただきました。
授業では経済学以外にも、心理学、仏教など様々な視点で社会を見ていきます。このゼミは現代の社会システムに疑問を持っている人にはぴったりな内容だと思います。また「愛について」というテーマもやります。内容は聞いてのお楽しみです。なかなか面白い内容ですよ。
S.K.です。
私は、1年生から友達作りに励み、友達がふつうにできました。その友達と、スキーに行ったりして休日を過ごしました。2年になると、単位もだいぶとれていたので、気持ちも楽に授業に出席して毎日が楽しかったです。3年から4年になると、就職活動で大変でした。この4年間を振り返ると、楽しい毎日でした。
*次回は【基礎心理学ゼミ】です。


