【比較日本文化論ゼミ】日本文化に対する?(9)
殊の外暑い夏です。この暑さを吹き飛ばそうとするかのように、各地で夏祭りが行なわれており、最近では、祭りといえば、夏の風物詩のように思われがちです。実際夏祭りには、規模も大きくにぎやかで、遠方から観光客もやってきたりする有名なお祭りが少なくありません。ただ、日本の祭りとしては、春と秋のお祭りのほうが、起源としては古いと考えられています。高温多湿の日本の夏に多い疫病を鎮めることから始まったとされている夏祭りは、どちらかといえば人口が多く疫病も広がりやすい都市で発達したのに対して、豊作を祈る春祭りと、収穫に感謝する秋祭りは、農村地帯で最も重要なお祭りとして行なわれてきました。
ただ、いずれにしても、日本の祭りは、季節感と密接に結び付いているところが、いかにも日本的で、日本の自然と切り離しがたく存在してきたところに、大きな特徴があると思われます。
キリスト教文化圏のクリスマスや復活祭などは、本来自然や季節感とは全く無関係なものであったはずですが、常緑樹を飾ったり、自然の復活を寿いだりして、キリスト教以前からの、自然と結び付いた祝祭感を取り込んで定着しているのは、よく知られていることです。
(ゼミ担当教員 吉田喜久子)
次回は【文学の現在ゼミ】です。
2010年08月30日(月) | 歴史・言語文化コース


