【環境保全論(生物多様性論)】2010年8〜10月の調査から
ミズアオイ(Aug. 17, 2010,信濃川で撮影).
河川敷の掘削跡に成立した“わんど”に大きな群落が出現.以前に,琵琶湖の塩津湾干拓地の水田耕地整備現場で一面の群落を見たことがある.長期埋土種子のなせる技だろう.数十年以上の期間を土中でじっと生き続けることにも驚かされるが,それ以上に深い眠りから一斉に目覚めるメカニズムに驚愕するばかりである.
ナガエツルノゲイトウ(Aug. 22, 2010,淀川で撮影)
淀川で珍しい植物があると知ってわざわざ出かけて初見したのが2000年.そのときには,今のような被害が出るとは露ほども思わなかった.侵略的外来種という概念はいまでこそ広く知られるようになったが,その当時の私の認識は植物研究者としてはあまりにも恥ずかしいものだったことも事実だ.

札幌市モエレ沼(Sept. 1, 2010撮影)
三日月型をした河跡湖.札幌周辺の地図を見ていると,過去の河道の変遷と明治以降の石狩川の付け替えを読み取ることができる.植物調査においては,地図から過去の変遷を読み取り,どこが有力な調査候補地かを見いだす作業が最も重要.広い石狩平野を闇雲に歩き回るような愚を犯すことはできない.
タカアザミ(Sept. 13, 2010,信濃川で撮影)
河川敷や荒れ地にゲリラ的に集団が出現するが,50株以上の集団を見つけるのはなかなか難しい.数年で個体群が崩壊するようで,神出鬼没という言葉がぴったりする.
ツルスゲ(Sept. 18, 2010,近江八幡市西の湖で撮影)
琵琶湖沿岸域での本種の生育は,氷期の証人という意味で,深泥ヶ池のホロムイソウに匹敵する大発見であった.この写真からその貴重性を感じて頂きたい(無理だろうな・・・).
ジュンサイの生育する溜池(新城市作手,Sept. 19, 2010撮影)
秋の日だまりの中,静かな溜池の風景に出会ってちょっぴり喜びを感じる.
雄物川(Oct. 2, 2010撮影)
氾濫原の植物を調査するために全国の河川を巡っている.今秋は,秋田県に足を運ぶ機会があった.東北の河川は,西日本のそれらと違って氾濫原の規模は大きいものの,地形や環境の変化に乏しくて植生が単調な印象を受ける.冬季の積雪の影響もあるのだろうか.

福島潟(Oct. 10, 2010撮影)
2年ぶりの訪問だったが,大規模工事が継続中だった.以前の夏に見たときのように,オニバスやミズアオイが出現するだろうか.来夏にどんな植物が出現するのか興味深い.
池底が干出した大野池(和泉市信太山,Oct. 16, 2010,撮影)
大阪府でも有数の丘陵地の自然が残る信太山.10年ぶりに再訪した場所でサギソウやトキソウと再会することができて感無量.
(ゼミ担当教員 藤井伸二)
次回は【地域経済論ゼミ】です。
2010年11月25日(木) | 環境保全コース


