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【水環境化学ゼミ】兵(つわもの)どもが・・・

こんにちは、ゼミブログ担当学生のT.A.です。いやはや、季節の過ぎ去るのは早いもので、また今年も桜の季節がやってまいりました。私たちも4年間の学生生活を終え、とうとう卒業いたします。長いようで短かったこの4年間を思い出しながら桜を見上げれば、スギ花粉で鼻がむずむずと。。。私がゼミブログを書かせていただくのも、これで最後となりました。今回は、卒業前の最後の難関、『口頭諮問』についてお話したいと思います。

『口頭諮問』。それはいわゆる、卒業論文の発表会のようなものです。自らの研究成果を先生方へ向けてプレゼンテーションするという、大学4年間の学習のうえで最大の難所であり、最高の挑戦の場でもある学部生の檜舞台です。本ゼミでは先生方の他に、調査に協力していただいた外部の方や後輩を招いて、スライドをスクリーンに映して発表するという、他のゼミでは行わない形式で、本格的に口頭発表を行なっています。そのため相応のクオリティーが求められ、緊張感も普通の口頭諮問とは一味違います。

では皆の発表の様子を、研究の概要を交えて紹介していきましょう。緊張した顔をとくとご覧あれ。


トップバッターの研究テーマは『ダム湖水質の季節変化』。
河川を流れる水は、通常その場に長く留まることは無く、常に流動しています。ダム湖は、河川の上流部に設置されたダムによってせき止められた水が、滞留して湖となったものをいいます。ダムによってせき止められた水は長時間滞留することになります。滞留した水は、通常の河川水に比べて攪拌されにくく、また長時間日光にさらされることになるため、水中の生物活動に大きく影響するものと考えられます。そうして影響を受けた水が河川へ流れ込むことによって、どのような影響を及ぼすかを考察するために、滞留や気温・水温による水質に対する影響について研究を行ないました。


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発表者のKさん。ダム湖の水深や気温によって、成分濃度の挙動に違いが見られました。さらに、それらの挙動の特徴ごとにグループ分けを行なうことにも成功しました。
トップバッターだけあって、緊張もひとしおです。しかし、プレッシャーに負けず、素晴らしいスタートダッシュを切ってくれました。


2番手は『河川水質に対する地質の影響』。
地面に降った雨は土にしみこみ、土の下にある岩盤に到達すると地下水となります。この地下水が低い場所に集まって、流出したものが河川です。この過程において、岩盤から様々なものが溶け出すことによって、それが河川の水質を決定する1つの要因となっています。岩盤には花崗岩や砂岩、泥岩など多様な種類があり、多様な地質形成に寄与しています。それらの岩盤の種類ごとに地点を設定し、そこを流れている河川の水質に違いが見られるのかを研究しました。
その結果、地質の違いによって水質に違いがあったため、さらに複数の地質から流れてきた水の水質を予測することも試みました。例えば、Aという地質とBという地質から流れてきた水の水質は、A+Bの水質になるのではないか、という予測を立てました。


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発表者のYさん。複数地質における水質の予測までをも見事に成功させ、大きな成果を残しました。誰よりも多く調査に出かけ、沢山の試料から多くのデータを得てきたゆえの、素晴らしい努力の結果です。


3番手は『北海道大学和歌山研究林内の渓流水質』。
渓流水質の変動要因は、気温の影響、標高の影響、降水量の影響、降水の水質の影響、地質の影響、排水などの人為的な影響、などが挙げられます。北海道大学和歌山研究林は、山の奥地にあるため、排水などの人為的な影響を変動要因から除けます。また、この研究林内の地質が一定であるため、地質の違いによる変動も除けます。降水の水質は研究林の面積がさほど広くないため、降水の水質による差異も除けるものとします。これらによって和歌山研究林は、渓流水質に対する気温の影響と標高の影響、降水量の影響を評価できる環境として優れています。また、研究林内における渓流の最終合流地点に基準地点を置き、上流部の水質予測を行ないました。


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発表者のIさん。渓流水質の予測は大成功でした。野外調査の試料としては、本当に驚くほどキレイに予測に当てはまりました。これほどにバシッと結果が出ると気持ちいいですね。


さて、残り3人です。この3人は、本研究室で2004年から継続的な調査を行っている大篠原試験地についての研究です。この試験地は滋賀県野洲市の大篠原にあり、琵琶湖の水源である日野川の源流部にあたります。スギとヒノキの人工林地で、集水域内に降水等の採取器や三角堰などを設けて、水量や水質を調査しています。


4番手は『大篠原森林流域の土壌水質』。
森林において土壌の果たす役割として、水質良化や水源涵養の機能が挙げられます。大篠原試験地の調査でも、土壌へ流入する水と流出する水では、水質に違いがあることが明らかになっています。しかしこれまで、土壌内の水質の変動要因が複雑であることなどの理由から、土壌内での水質の変化はブラックボックスとして扱ってきました。土壌内の水、すなわち土壌水を土壌の深さごとに採取・測定し、森林土壌が森林の渓流水質に与える影響を研究しました。


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発表者は本稿著者のT.A.です。土壌の深さによって、水に溶けている成分ごと、濃度の変化に違いあることが分かりました。
う~ん、まだまだ研究の余地がありますねぇ。。。


5番手は『森林伐採が渓流水質に及ぼす影響』。
我が国では、戦後を中心として多くの人工林が造成されました。現在、それらのスギやヒノキが高齢化し、その資源を利用する段階になってきました。しかし、無計画な伐採を行なってしまっては、健全な森林を育成することはできないと考えられます。
大篠原試験地では、2004年から現在までの調査期間内に、試験地内で伐採が行なわれました。そこで、伐採前後の渓流水の水質及び水量の変化といった伐採の影響について研究を行ないました。


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発表者はG君。前年度の先輩方の結果も踏まえて、伐採により渓流水の水量や成分濃度に変化があることを明らかにしました。大篠原チームの頼れるリーダー、G君。彼の残した功績は、今後もゼミ内で重宝されることでしょう。


最後の6番手は『渓流水中の懸濁物質の挙動』。

水の水質を表す成分には、水に「溶けていないもの」と「溶けているもの」があります。フィルターを使って水をろ過した際、フィルターの上に残っているもの(溶けていないもの)を懸濁物質、通過したもの(溶けているもの)を溶存物質と定義します。
森林流域においては、溶存物質の研究は広く行なわれていますが、懸濁物質の研究はあまり行なわれていません。しかし、物質の挙動を追うには、物質の全てを扱う必要があるため、本研究室では懸濁物質の挙動にも注目してきました。この研究では、大篠原試験地において渓流水中の懸濁物質濃度の挙動についての研究を行ないました。


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発表者のNさん。懸濁物質を扱っていたのが研究室で彼女だけだったため、1人でいろいろな機械を管理していました。彼女の測定した試料数は計り知れません。「見よ!この試料数!」。その上、懸濁物質の測定には前処理に多くの操作が必要となります。凄まじい努力と時間を費やしています。スゴイ。

さて、これで口頭諮問の全内容の紹介が終わりました。ダイジェスト版でお送りしましたが、研究の面白さ、奥深さ、(ツラさ)が少しでも伝われば幸いです。
        


春は出会いと別れの季節。新しい門出を祝い、笑って卒業できるのは、お世話になった先生や先輩方の支えと、共に学んだ仲間たちの協力があったからこそです。この場を借りて感謝の言葉を送ります。本当にありがとうございました。

これにて、本年度のゼミブログは終了です。来年度は後輩のM君にバトンを渡し、このゼミブログは続いていきます。これまで読んで下さった方、誠にありがとうございました。来年度も我がゼミをよろしくお願いします。それでは。






(ゼミ生4年 T.A.)



次回は【企業会計論ゼミ】です。

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