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【比較日本文化論ゼミ】日本文化についての?(12)

森や林では、木々が鬱蒼(うっそう)と葉を茂らせています。今の時期にかぎらず、私達が森林で心地よく感じるのは何故でしょうか。この問題について、音の観点からなされた注目すべき研究をご紹介しましょう。

森林のみならず、出雲平野や砺波地方などに今もある屋敷林の中では、私達の耳に聴こえる音域をはるかに超える高周波の音が出ているのだそうです。そういう里の音の主力は、木々のざわめきや小川のせせらぎ、虫の音や鳥の鳴き声など、人間以外の生命体の発する音です。その音は複雑な多様性に満ち満ちており、一日や季節の時の流れとともに、連続的にゆっくりと移り変わっていきます。森林の中ほどの高周波音のない街の音環境は、それと正反対で、車の通行音など人工物や人間の発する音が主体であり、非連続的に激しく変化します。

この里の音と街の音の違いは、LPとCDの違いであり、また尺八などの邦楽器とフルートやピアノなどの洋楽器の違いでもあり、これまではとかくプリミティブと捉えられてきた前者が、後者にはない多様性と豊かさをもっていることが判ったのだそうです。そして、このことは、尺八のような音を育て上げて来た日本文化と、フルートやピアノのような文化を築き上げてきた西洋文明という根本的な問題に関わっているのです。

興味がおありの方は、大橋力氏の『音と文明』を読んでみてください。


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夏つばき

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山あじさい





(ゼミ担当教員 吉田喜久子)



次回は【文学の現在ゼミ】です。


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